2020年7月6日、
NHKの朝のニュース『おはよう日本』では、
東京ディズニーリゾート
会長が語る未来像 について特集されました。
(インタビュー:桑子 真帆アナウンサー)
NHKおはよう日本|東京ディズニーリゾート会長が語る未来像
ミッキーマウスにミニーマウス、ドナルドダック
あの夢の国が帰ってきました。
2020年7月1日、およそ4カ月ぶりに営業を再開した
東京ディズニーランドとディズニーシー。
このテーマパークを運営するオリエンタルランドの会長、加賀美 俊夫さん。
経営者として2つのパークとホテルなど
東京ディズニーリゾートの形を作り上げてきた加賀美さんに
おはよう日本が単独インタビューをしました。
会長単独インタビュー
東京ディズニーリゾートのこれから
新型コロナウイルスで直面した資金難。
そしてテーマパークの姿について会長が語ってくれました。
桑子アナウンサー「4カ月ぶりの再会となりましたけども、
まずは今のお気持ちをお聞かせいただけますか?」
加賀美会長「4か月間は非常に厳しい会社としての状況でしたけれど、
再会できてすごくうれしいと同時に、
多くのゲストがこんなに心待ちにしてくれていたのかというのが、
すごく嬉しかったです。
ゲストの皆さんと一緒に生きてる会社だと感じました。」
今年84歳になる加賀美会長。
1995年~2005年まで社長を務め、今は会長として経営に関わっています。
社長時代にはテーマパークだけでなく、
ホテルや商業施設も含めたリゾートとしての開発を指揮。
世界から累計7億人以上が訪れる日本を代表するテーマパークに育て上げ、
去年の入園者は過去最高の3,200万人を記録しました。
そんな中で突如襲った新型コロナウイルスによって
前代未聞の4カ月の休園が強いられました。
加賀美会長「私どもの事業というのは “平和産業” なんですね。
ですから戦争とかテロとかは最大の敵だと日頃から社内で言っています。
このコロナウイルスは夢にも思ってなかったんでね、
全く想像外のことが出てきたということで、
ある意味で見えない敵と戦わなくちゃいけないと。
これに対して負けたら もう企業もだめですね。
打ち勝っていくためにはどうしたらいいか、
時には相当強い意志がないとだめじゃないかと思いました。」
4月加賀美さんはこのまま感染拡大が続けば、
経営環境が急激に悪化し、
会社が資金難に陥るかもしれないと判断、
銀行から新たに2,000億円規模の融資枠を
受けられる約束を取り付けたといいます。
加賀美会長「これは資金がショートすると1年持つかなという感じで。
これじゃいけないということで、銀行にプラス融資の約束はしました。
私はコロナが1年続くかなと大なり小なりですね。
そのためのキャッシュフロー(資金の流れ)は確保したつもりなんです。」
手探りの中で開園したパーク。
入園者は普段の半分以下に制限せざるを得ず、
入園料収入はこれまでのようには得られません。
大人気のパレードやショーも密集を避けられないため、
当面は休止をせざるを得ません。
しかし、加賀美さんはこれまで会社が続けてきた
“拡大路線” はやめないといいます。
そのために今は感染症への対策や、
ソフト面を充実させることで入園者をつなぎ止めたいと考えています。
たとえばパレードの代わりに新たに始めた
人気キャラクターが園内を回るプログラム。
いつどこで見られるか公表しないことで、
密集を生まずにサプライズを楽しんでもらおうと考えました。
再び感染者数が増加している新型コロナウイルス。
なかなか出口が見いだせない中で東京ディズニーリゾートを
どう運営していくのか、まだ模索が続くといいます。
桑子アナウンサー「東京ディズニーリゾートは、
近年はずっともう拡大路線で、そこには資金が必要なわけですよね?
その拡大路線をこれからその変更を迫られるということはありうるのでしょうか?」
加賀美会長「いや、スピードは落ちますけど拡大路線は続けていく形だと思うんですね。
基本的に大きなハードは変えないつもりで、ソフトは相当変わっていきますですね。
中身をもっともっと充実するかたちの経営に切り替えていかないといけないんじゃないかと。
基本的にキャストとゲストの触れ合いがメインですけど、
それがいまソーシャルディスタンスで出来ないので、
アイコンタクトとか身振りとかそういうものでどう伝えていくか、
そういう面でアトラクションの中身もちょっと変えていかないといけないんじゃないかと。」
桑子アナウンサー「 “Withコロナ” という意味では、近づいてはいけないわけですよね?」
加賀美会長「そこが矛盾してるんですよね。
ゼロには出来ませんけど、距離を取ってやっていくとか
ショーの内容や演出を変えていかないといけない。
私ども “夢の国” というのを絶対崩したくないと。
その中で実際にやらないといけないことをどう組み入れていくかと、
まだまだ研究課題だと思いますね。
今まで苦しみを乗り越えてきたことがいくつかあるんですけど、
それ以上の苦しみが出てくるだろうと、
それを乗り越えていく会社のパワーが必要じゃないかと。」
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高瀬アナウンサー「今回、再会を待ちわびていた人達が
こんなにいたんだと驚かされましたが、
もとの夢の国のままではいけないということなんですね。」
桑子アナウンサー「そういう期待が大きい分、
感染対策と夢の国で有り続けること、
この両輪を維持していかなくてはならないわけですよね。
プレッシャーも大きいと思いますけども、
きっとやってくれるんではないかと思います。
今後も見守っていきたいと思います。」