今回は、先月海外で発表された超望遠デジタルカメラNikon COOLPIX P1000について書いていこうと思います。
普段RX10M4を使用しているわけですが、COOLPIX P1000をどう捉えるか、P1000の超望遠を使いこなすにはどういう所に気をつけるべきかについて参考になればと思います。
P1000の3000mm(35mm換算)超望遠を生かすとなると運動会等の撮影では、持て余してしまいそうですね。
P1000には、鳥、月のシーンモードがあり、ターゲットとする被写体はやはりこの辺りとなるのでしょう。
RX10M4では600mmですが、小さな鳥や月だと少し小さいかなといった感じです。レタッチソフトで等倍で閲覧すれば、そこそこ楽しめますが。
超望遠撮影のポイント
1.遠くの小さな被写体は要注意
気象の状況にもよると思うのですが、レンズの性能を問うより、まず大気のゆらぎでぼやけてしまったり、霧がかったりしたようにコントラストが低くなりがちです。
数百メートル以上先の小さな物を大きく撮りたいとなると、よほど空気の澄んだ時じゃないと厳しいかと思います。
RX10M4でレンズの性能がどれ程の物かということで、遠くの被写体を撮影してみましたが、上記のようになってしまいます。コントラストが低い時は、レタッチソフト等でコントラストを少しだけ高くしたりしています。
2.動く被写体は要注意
鳥などの動く被写体を撮影する場合は、ある程度の光量が必要。(シャッタースピード、絞り、ISO、手ぶれ補正の関係)
超望遠系になりますと、絞りも暗くなっていきます。RX10M4は600mm相当でF4ですが、P1000の最望遠端3000mmではF8。2段分も暗くなってしまいますので、日中の明るい時でないと被写体ブレを起こしやすくなります。
また、高感度で撮影した場合、RX10M4でもISO1600くらいになるとノイズが結構入ります。P1000の画像処理エンジンは進化していると思いますが、センサーサイズが1/2.3インチですので、やはり明るい時に撮るのがよさそうです。
レタッチソフトで、明度やコントラスト調整をすると、ISOを上げたノイズが目立ってしまうので、あまりISOも上げられません。
3.止まっていても要注意
静止している被写体を狙う場合でも、光量が少ない場合は三脚がないとブレたり、ISO上昇による画像の劣化が著しくなります。
RX10M4では、600mmF4でも、それなりに明るくないとブレやすくなります。
もし、3000mmで撮影するのであれば、中型から大型の三脚を用意し、レリーズかセルフタイマーを使用した撮影が必要になります。
さらに、何枚も撮影しておくなどの保険も必要になるかと思います。
といった具合で、超望遠を使いこなすにはそれなりの準備や気構えが必要になってきます。
P1000はRAW撮影が出来るようになったことがとても良い点です。
撮影後にホワイトバランスを変えられますし、レタッチにも強くなります。
ただ、これだけの望遠レンズを搭載し、ある程度小さく作るので仕方有りませんが、センサーサイズが1/2.3インチ、1679万画素というのが少し気になるところです。
センサーサイズの大型化が進む昨今のデジカメの中、どれだけ鮮明な画像が出せるかが鍵になりそうです。