2019年1月27日放送のバンキシャ!では、大坂なおみの進化について紹介されましたので、まとめていきたいと思います。
世界ナンバー1の大坂なおみの進化徹底解析
決勝の中盤からポイントが取れずイライラしてしまう大坂選手。
決勝の2週間前、大坂なおみ選手は次のように語っていた。
「私の性格のある部分は3歳児のようなところがあって・・・」
これまでも精神面が課題だと口にし続けていました。
しかし、2019年1月26日の大坂選手は違っていた。
会心のショットが決まっても無表情。
そして、全豪オープン初優勝!
大坂選手に笑顔が戻った。
試合中の様子を大坂選手は次のように話した。
大坂選手「(決勝戦の)第3セットで私は全ての感情のスイッチをオフにしようとしました。精神年齢は毎日1年分成長しているので5歳児ですかね」
テレビで観戦していた根室に住む祖父の鉄夫さんは、
「えらいなと思うよ。つらい中 ひとりで戦っているんだからね。かわいそうなのか かわいいのか まぁ めんこいのかね なでてやりたいよね。ほっぺたのひとつでもつけてやりたい」
と話します。
成長を続けた大坂選手。
大坂選手「全豪オープンは とてもスペシャルなので勝つことができて うれしい。誰でも環境に適応して変化していくもの。私はずっと変わりたいと思っていた。私は昔と変わったとは思うわ」
記者「5歳じゃなくて7歳くらいに成長したのでは?」
大坂選手「そんなことないわ」
全豪オープンの優勝を成し遂げた大坂なおみ選手。
今日行われた会見で、ある手応えを語った。
大坂選手「強いボールが ラリーで正確に打てるようになったと感じています。」
実際に試合でもラリーの末、力強いショットで決めるシーンが何度も見られた。
そのわけは一体何なのか?
2019年1月25日(大会の前日)オーストラリア・メルボルンである人を取材した。
ヨネックス ストリンギングチームの玉川裕康さん。
選手のラケットに糸を張る職人だ。
大坂選手のラケットの
横に張られているガットは動物の腸で出来た糸を使用し、
縦には、ストリング(ポリエステル製の糸)が貼られている。
大坂選手、実は昨年末から縦に貼るストリングを変更していた。
玉川さん「ストリングが黄色の糸からグレーの糸に変わっているんです」
全米オープン時のストリング=黄色
↓
全豪オープン決勝=グレー
これは何を意味するのか
玉川さん「よりパワーのある、よりはじきのいいグレーに変えた」
縦に貼るストリングを硬い材質に変更したというのだ。
縦の糸を硬くするとどんな効果がもたらされるのか?
30年以上 テニスを科学的に研究している川副嘉彦さんに聞くと、
川副さん「いちばん影響があるのは、スピン量が増すということです」
実はボールの回転が多いほど、コントロールがしやすくなるという。
元テニス選手の杉山愛さん「パワーがある中で、バーンと打った物がやはりコートに収まらないといけませんから、そういう意味でスピン量がかかることによってコートに収まりが良くなっていったり」
回転がかかるようになり、きわどい場所に決めることが出来るようになったという。
実際に大坂選手はきわどいコースにボールを打ち込んでいた。
ただ、硬いストリングはパワーが無いと使いこなせない。
それを大坂選手は肉体改造によって可能にしたのだ。
大坂選手はストリングを変えた理由をこう語った
「もっとパワーが強く出るようにコントロールできるようになるのが、メリットだと考えました。」
全豪オープンテニスの頂点に立った大坂なおみ選手の進化は今も続いている。