YouTube.comを運営するGoogleは、2020年1月頃から、コンテンツが子供向けを含む動画でのパーソナライズド広告の掲載を一斉に停止することが発表されました。
※パーソナライズド広告とは、ユーザーが興味を持ってWeb検索閲覧したデータをもとにした広告のことです。
このことにより、ゲーム実況動画・チャンネルへの影響について考察してみました。
まず、問題となったのは、下記のとおりです。
グーグルに米当局が制裁金 子供の情報を違法収集
米連邦取引委員会(FTC)らは4日、傘下の動画配信サービス「ユーチューブ」が子供のプライバシーを守らなかったとして米グーグルに1億7千万ドル(約180億円)の制裁金を科したと発表した。子供のプライバシーを巡るFTCの制裁では過去最大規模のもよう。企業に甘いとの批判もあったFTCだが、個人情報保護では攻勢を強めている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49428910U9A900C1FF8000/
パーソナライズドされていない広告(上記以外のコンテンツに基づいて表示される広告)は、引き続き表示されるということです。
パーソナライズド広告停止でゲーム実況動画はどうなるの?
例えば、ゲーム実況動画であれば、このゲームの動画を見ている人ならこういう広告を出すと良いだろうとされる広告が表示されます。
パーソナライズド広告であれば、ユーザーが興味を持っていることだったので、広範囲な広告が表示されていましたが、このゲームにはこの広告という紐付けだと、あまり広告が無かったりする場合も出てきてしまいます。
ということは、ゲーム実況動画などを制作しても、広告が表示されず、収益が期待できなくなってしまうようになってしまいます。
すると、
収益が減る ⇒ ゲーム動画が作られなくなる
となるわけです。
YouTubeは子供向け動画を識別している?
では、これが子供向けチャンネルかどうかどうやって判断するの?となりますが、YouTubeでは、子供向けかどうかを判断するのに機械学習を利用していて、子供のキャラクターが入っているもの等を基準としているようです。
以前、ゲーム実況動画の「ゆっくり動画」などが、広告が表示されなくなり収益化が出来なくなったということがありました。
ゆっくり動画などは、動画内に子供のキャラクターが出てきて機械による音声読み上げで構成されていましたが、それらを機械(ロボット)による判断で認識され、広告などが表示されなくなりました。
この時は、広告の問題ではなく、ネットからコピーしてきたオリジナルの文章を読み上げさせて動画を作るというだけのコンテンツが低品質なものとして問題化されたのが理由でした。(手抜き動画で収益化が出来てしまうのを防いだ対策)
ということで、子供向けコンテンツの解釈がどこまでというグレーゾーンがありますが、多く見積もると、ゲーム実況動画による収益化があまり期待できなくなる可能性が出てきそうです。
ゲーム実況動画の今後
現在収益をグーグル経由でスポンサー等の広告主から広告宣伝料が支給されています。
スポンサー・広告主 ⇒ グーグル ⇒ 動画制作者(ユーチューバー)
こういった流れでしたが、今後は下記のような流れが理想です。
スポンサー・広告主 ⇒ 動画制作者(ユーチューバー)
ただ、多くの人数を集めているユーチューバーであれば、広告宣伝主と契約などが出来るかもしれませんが、これからという人の場合は、なかなか難しかったりするのではないでしょうか?
今後もしかすると、広告宣伝主と動画制作者の間を取り持つ企業などが出てくるのではないでしょうか?
スポンサー・広告主 ⇒ 広告管理会社 ⇒ 動画制作者(ユーチューバー)
そうすると、その中間を管理する会社にユーチューバーが契約社員として登録していく形で、こういったビジネスが主流に展開していくのではないでしょうか?
YouTubeやネットは便利な分、様々なトラブルを抱えながら発展を続けています。
試行錯誤しながら成長していくのは仕方ないとして、便利なものにあまり依存しすぎてしまわないように、気をつけなくてはなりません。
関連リンク
Google 広告ポリシー「パーソナライズド広告」
https://support.google.com/adspolicy/answer/143465?hl=ja
YouTube.com の子供向けコンテンツに関して今後予定されている変更点
https://support.google.com/youtube/answer/9383587?hl=ja
ユーチューバー(カズチャンネル)による広告停止の解説