リチウムイオンバッテリーの功績により、日本人の吉野彰さん(71)らにノーベル化学賞が授与されましたが、リチウムイオンバッテリーはもう何年も前から使われています。
そこで疑問に思ったのが、
なぜ今年になってノーベル賞を受賞されたのか?
もっと前に受賞しても良いのでは?
という疑問についてまとめてみたいと思います。
リチウムイオンバッテリーでノーベル化学賞 なぜ今年なのか?
リチウムイオンバッテリーの歴史
まず、リチウムイオンバッテリーの歴史からおさらいです。
吉野彰さんは、1983年(昭和58年)にリチウムイオンバッテリーの原型を開発しました。この時代は、ビデオカメラなどをはじめ持ち運べる電子機器が普及し始めた頃でした。
その後も小型化、軽量化、電圧を高めたもので、平成3年にリチウムイオンバッテリーが商品化されました。(ソニー)
リチウムイオンバッテリーの前に主流だったのは、ニッケル・カドミウムバッテリーが主流で、1977年ごろから使用されたもので、電池の持ちが悪くすぐに充電をしなくてはならないことや、バッテリー自体の劣化も早かったという特徴がありました。
リチウムイオンバッテリーの登場により、
携帯電話、
スマートフォン、
タブレット型PC、
携帯型掃除機、
ハイブリッド車
電気自動車
その他
など数多くのバッテリーを使用する家電でバッテリーの持続時間も長くなり、とても実用的に使用できるようになりました。
ノーベル化学賞の受賞理由
ノーベル化学賞の受賞理由について、ノーベル委員会は、
「リチウムイオンバッテリーは、軽量で、再充電できる強力なバッテリーで、いまでは小型の携帯電話やノートパソコン、電気自動車などあらゆるものに使われている。太陽光や風力などのエネルギーを十分ためることができ化石燃料が必要ではない社会を作り出すことも可能にする」
としています。
なぜ、今になってノーベル賞というのは、リチウムイオンバッテリーが今の社会に無くてはならない存在ということが大きく認められたからなんですね。
ノーベル化学賞も優先順位があるので、今年評価した時点で、一番大きな成果ととらえられた功績が称えられたということになります。
今回、高齢受賞者も
ちなみに、吉野彰さんと一緒に、アメリカのジョン・グッドイナフさん(アメリカ・97歳)、スタンリー・ウィッティンガムさん(アメリカ・77歳)らも授与されたわけですが、グッドイナフさんの年齢は、ノーベル賞のなかのすべての賞で最高齢受賞者になるんだそうです。
発明してから世の中に浸透し、大きく功績が認められるのは時間がかかる場合、本人が亡くなった後にノーベル賞で認められるということもあり、できるだけ本人が生きているうちに評価され、認められるといいのですが・・・。