近年多い、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故ですが、つい最近も連続して痛ましい事故が発生してしまいました。
ブレーキとアクセルは何故踏み間違ってしまうのか?
について詳しく調べてみることにしました。
参考になればと思います。
事故の年齢別の割合は?
ブレーキとアクセルの踏み間違いを年齢別に見ると、65歳以上の高齢ドライバーの中で、特に75歳以上のドライバーの割合が高くなっています。
この割合の傾向は、10年前と同じです。
現在、高齢者の運転免許を持っている人は、10年間で約2倍に増えていて、今後も増えていくと予想されています。
最近、こういったブレーキの踏み間違え事故を防止してくれる機能が車に搭載されるようになってきましたが、まだまだ普及には時間がかかるようです。
▼ 年齢層別のペダル踏み間違い事故の割合
事故が多い場所はこちら
次に、どういった場所でのブレーキの踏み間違えが多いのでしょうか?
こちらも年齢別に見た統計ではこのようになっています。
▼年齢別ペダル踏み違いによる事故の割合(四輪車)
過去:H14~18年、現在:H24~28年
一般の道路や交差点より断然、駐車場等が多くなっています。
非高齢者でも多い傾向ですが、高齢になるにつれ多くなっているのが分かります。
高齢化の影響とは
高齢になると、次のような体の機能の低下があり、それらの影響が多いと考えられます。
●視覚機能が低下
●注意力や集中力が低下
●情報の処理に遅れ
●情報の処理の誤った判断
●体が思うように動かない
(体の動作が遅れる、体の動作が不正確)
●体が全体的に硬くなり、稼働できる範囲に制限がある
事故の原因(人的な要因)
ドライバーの人的要因は次のようになっています。
このグラフを見て分かるとおり、「慌て、パニック」による要因により、ペダルの踏み間違いやハンドル操作、ブレーキ操作が不適切になってしまったケースが多いようです。
「慌て、パニック」になってしまうと、誤った操作をしてしまうことから、そうならないよう、念入りな安全の確認と注意力を高めることが重要です。
次に多いのが、高齢によりペダルの踏み間違いや、乗り慣れない車によるものとなっています。
高齢ドライバーの後進時の運転姿勢
続いて注目したいのが、高齢者の後進時の運転姿勢についてです。
高齢者になると、体をひねりにくくなります。
このため、上半身を右方向にひねり後方を目視する場合、足元が大きく右に傾いた状態でブレーキ操作を行うようになります。
このように傾いた状態でブレーキを踏むと、ブレーキとアクセルの両方を踏みやすくなります。
こういった動作を無意識に行っているため、後進時にブレーキをかけたつもりがアクセルを踏んで急に進みパニックになり、さらにアクセルを間違って踏んでしまうといった悪循環になりがちです。
ブレーキペダルを踏む角度は、意識的にまっすぐな状態で踏むようにする必要があります。
まとめ
高齢化によりアクセルとブレーキペダルの踏み間違い事故をまとめると次のようになります。
●駐車場での事故の割合が多い
●ペダルの踏み間違いは、慌てパニックや高齢による要因が多い
●高齢者は後進時に足が斜めになっている傾向が多い
このような事故になる原因を良く理解し、年齢的に身体機能の低下も考えると、早めに免許を返上することも考え直してみる必要もありそうです。大きな事故にならないためにも・・・。
(参考:交通事故総合分析センター)